釈放に歓喜と悲しみ=パレスチナ人心境複雑―ヨルダン川西岸



【ラマラ(ヨルダン川西岸)時事】イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止が期限切れを迎える直前の1日未明、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラにイスラエルの収容施設から釈放されたパレスチナ人を乗せたバスが到着した。集まった数百人の家族らが歓喜に沸く中、ガザで甚大な被害が出ている現実に「悲しい」と吐露する元収監者もいた。

イスラエルはこの日、未成年者と女性計30人を釈放した。「アラー・アクバル!(神は偉大なり)」。若者たちはこう叫んで喜びを爆発させ、釈放された人を肩に乗せて道路を走り抜けた。

拘束を解かれた未成年男性のアリ・カリームさんは、「素晴らしい気持ちだ。自由に勝るものはない」と話した。一方、オバイ・アブマリアさん(18)は、ガザの状況に加え、収容施設にパレスチナ人が依然多数収監されているとして、自身は釈放されても「複雑な心境だ。悲しい」と述べた。

釈放された人や拘束中の人の家族は取材に「なぜ収監されたか分からない」と話していた。約半年前にヨルダン川西岸ヘブロンの自宅から息子(18)が連行されたというユセフ・サルソールさん(48)は、「イスラエルは『治安』という口実で何でもできる」と語り、不当逮捕だと訴えていた。

〔写真説明〕1日未明、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラで、イスラエルの収容施設から釈放されて喜ぶパレスチナ人ら

2023年12月01日 18時05分


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