戦闘再開、外交的痛手に=再休止へ働き掛け継続―バイデン米政権



【ワシントン時事】イスラエルがイスラム組織ハマスとの戦闘を再開したことは、戦闘休止の継続を求めていたバイデン米政権にとって外交的痛手となりそうだ。バイデン政権はパレスチナ自治区ガザの人道状況のさらなる悪化を懸念しており、戦闘を再び休止するようイスラエル側への働き掛けを続けていくとみられる。

ブリンケン米国務長官は11月30日、訪問先のイスラエルでネタニヤフ首相らとの会談後に記者会見し、戦闘休止期間中に多くの人質が解放されたと歓迎。「このプロセスは明らかに有益だった」と述べ、休止継続をイスラエルとハマス双方に呼び掛けた。

だが、ブリンケン氏の訴えもむなしく、イスラエル軍は記者会見の翌日に戦闘を再開。ネタニヤフ氏は会談でブリンケン氏に「私はハマスを壊滅させると誓った。われわれを止めるものは何もない」と語っており、戦闘を再開する考えを強調していた。

ブリンケン氏はイスラエルに対し、「ガザ北部で見られた多数の人命の損失を南部で繰り返さないことが不可欠だ」と指摘。人道上の観点から、市民保護などに関する計画の策定を求めたが、イスラエル側がどこまで応じ、計画を準備したかは不明だ。

米国内では、イスラエルのガザ攻撃を「過剰だ」と受け取る見方が増えつつある。戦闘再開でガザの人道状況の悪化が進めば、バイデン大統領の指導力を疑問視する声が一層高まる恐れもあり、バイデン政権は難しいかじ取りを迫られている。

2023年12月01日 18時35分

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