
落語家の初代林家三平さんの妻で、エッセイストとしても活躍した海老名香葉子(えびな・かよこ、本名嘉代子=かよこ)さんが24日午後8時38分、老衰のため東京都内の病院で死去した。92歳だった。東京都出身。葬儀は親族で営んだ。喪主は長男で落語家の林家正蔵さん。来年1月9日午前11時から東京都台東区上野公園14の5の東叡山寛永寺輪王殿でお別れの式を開く。
東京の下町の釣りざお職人の家に生まれた海老名さんは、1945年3月の東京大空襲で祖母と両親、2人の兄、弟の一家6人を失った。戦災孤児となり、親戚の家を転々とする中、父の顧客だった落語家の三代目三遊亭金馬さんが保護者となった縁で、18歳の時に三平さんと結婚した。
「昭和の爆笑王」と呼ばれた三平さんが80年に54歳の若さで亡くなった後は、テレビ番組出演や執筆、講演活動を精力的に行い、一門を支えた。
また、自身の過酷な戦争体験を語り継ぐことをライフワークとし、自伝的な内容のエッセー「うしろの正面だあれ」はアニメ映画化もされた。
〔写真説明〕海老名香葉子さん
2025年12月29日 19時35分