
防衛省は26日、海上自衛隊の潜水艦エンジンの燃費性能に関する一部検査データを改ざんしたとして、製造元の川崎重工業に対し、同日から来年3月11日までの2.5カ月間の指名停止処分を決めたと発表した。検査不正は長期間にわたって横行していたという。
防衛省によると、検査不正があったのは1988~2021年までに製造され、同省に納入された潜水艦33隻分のエンジンの全てとみられる。海自が現在保有する潜水艦全24隻のエンジンが同社製といい、直近に納入された1隻を除く23隻で不正があった。
エンジン組み立て後、陸上で実施する試運転の際に同省が求める仕様や数値に合うようデータが改ざんされていた。同省は「潜水艦の安全性や性能に影響はない」としている。
指名停止の期間は同社から自己申告があったことから、同省の内規に基づき、申告がなかった場合の半分に当たる2.5カ月間とした。同省は「債務不履行があった」として同社に返還請求を行う方針で、金額は今後算定する。
【時事通信社】
〔写真説明〕海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」。検査不正のあった川崎重工業製のディーゼルエンジンなどを動力とする(海自ホームページより)
〔写真説明〕防衛省=東京都新宿区
2025年12月26日 20時25分