気管チューブ外れ死亡、7年で21件=「体勢変更時に注意」―医療事故調査センター



医療機関で、患者の気道確保のため喉から気管につないだチューブが外れ、死亡する事例が7年間で21件報告されたことが、医療事故調査・支援センターのまとめで27日までに分かった。同センターは「体勢を変えるときに外れることが多い」と分析し、医療従事者らに注意を呼び掛けている。

チューブは、呼吸が困難な患者らの喉に穴を開けて取り付けられる。気道を確保することで、酸素を送ったりたんの吸引をしたりできる。高齢者らに対してよく行われる処置という。

同センターによると、気管の切開手術後2週間以内にチューブが外れて死亡する事例は、今年3月までの約7年間で21件報告された。うち15件は寝たきりの患者らの体勢を変えるときに発生。チューブを元の位置に戻そうとする中で、誤った箇所に入り死亡に至るケースもあった。

同センターは、患者の体勢を変える際には頭やチューブをしっかり押さえることなどを注意点として挙げ、チューブが外れた場合は再挿入に固執しないよう呼び掛けている。

喉の内部でチューブが抜けると、声が漏れたりたんの吸引ができなかったりするという。分析に参加した泉大津急性期メディカルセンターの長谷川剛さんは「チューブが抜けていることが疑われる場合は、口から空気を送り込む方法に切り替えるべきだ」と話した。

【時事通信社】

2025年12月27日 19時08分

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