
安倍晋三元首相銃撃事件の判決を前に、現場に居合わせた奈良市の仲川げん市長がインタビューに応じた。霊感商法をはじめとする悪質な宗教団体が絡む問題への対処について、「自治体レベルでは限界があり、宗教団体を管轄する国が監視を強める必要がある」と語った。
事件発生時、仲川氏は参院選の応援弁士として安倍氏のそばにいた。2回目の銃撃音が響き、安倍氏が倒れた直後、消防幹部に電話で状況を確認したといい「救急車が出払っていて、祈るような気持ちで到着を待った」と振り返った。
山上徹也被告(45)は長年、奈良市で母親らと生活していた。仲川氏は「市民の中から加害者を生み出してしまった。社会の孤立と向き合う行政の長として、どうしたら事件を防げたか考えさせられる」と心境を吐露。どんな理由があっても殺人は許されないとした上で、「浮かばれない人たちに光を当てていかないと同じようなことが起きかねない」と警鐘を鳴らす。
被告の母親が入信していた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)で問題となった霊感商法や宗教2世について「消費者生活センター、児童相談所との連携や啓発活動にさらに力を入れていく」と表明。一方、問題の根本解決のためには「宗教団体の活動が適正か監督する必要がある。それは自治体レベルでは難しい」と述べ、国の積極的な介入に期待を寄せる。
「悪質な団体を排除してこなかった国にも問題があり、今も(対策は)十分ではない」と指摘。その上で、「信教の自由は公序良俗に反しないというのが大前提だ。集金を目的とした詐欺的な行為を働いている場合は法人格を剥奪するなど、国がより細かくモニタリングする必要がある」と提言した。
〔写真説明〕インタビューに答える奈良市の仲川げん市長=9日、同市役所
2026年01月19日 07時07分