
社長など企業幹部の名前をかたって業務命令を装うメールを送り、指定先に送金させる詐欺が急増している。幹部と社員の距離が近い中小企業が狙われやすいといい、1億円を超す被害に遭った企業もある。警察庁は全国商工会連合会などを通じて注意を呼び掛けている。
警察庁によると、メールは社長や会長を名乗って企業の経理担当者らに届く。「新規取引先だ」「プロジェクト対応のため」などとして、チャットグループの作成を求めてくるという。昨年12月中旬から今月15日までに全国で39件の相談が寄せられ、うち16件で実際に金銭を詐取された。被害総額は計約5億4000万円に上る。
先月25日に被害に遭った関東地方の資材業者は、業務用アドレスに偽社長からメールが届き、社員が作成したLINEグループのQRコードを指定先に送った。チャットで相手先とやりとりした後、取引代金として約3000万円を送金。その後、社長に確認し被害が発覚した。
同庁によると、会社のホームページなどで公開しているアドレスや代表者名が悪用されているとみられる。業務関係の支払いを装っており、被害が高額になる傾向が強いという。
同庁は「社内でネット送金やSNSによる業務指示のルールを再確認し、不審な命令は社長本人に確認を」と呼び掛けている。
〔写真説明〕社長の業務指示を装う偽メールによる詐欺への警戒を訴える警察庁のチラシ(同庁提供)
2026年01月19日 14時31分