
広島で被爆し、戦後韓国に帰国した被爆者3人が長期間援護措置を受けられなかったとして、遺族らが国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、広島地裁(山口敦士裁判長)は28日、請求通り330万円の賠償を命じた。
被爆者の援護を巡っては、旧厚生省が1974年、出国者には健康管理手当の支給を認めないとする「402号通達」を出したが、訴訟で違法性を認める判決が出たため2003年に廃止された。
国側は通達の廃止から提訴まで20年以上がたっており、損害賠償請求権がなくなると主張していた。しかし、山口裁判長は国が通達廃止後も賠償責任を争い続けたことで、原告らに同請求権の存在について疑念を抱かせ、権利行使を「事実上困難にさせた」と指摘。同請求権が消滅したとは言えないと結論付けた。
原告側は3人の在外被爆者について、通達が廃止されるまで援護措置の対象外に置かれ、「健康被害や不安を抱えながらの生活を余儀なくされた」と主張していた。
原告側の代理人弁護士は「援護ではなく、いかに権利行使をさせないかという国の姿勢に対し、裁判所が厳しく非難した」と判決を評価した。
〔写真説明〕広島地裁=広島市中区
2026年01月28日 16時26分