免疫治療、効かぬ大腸がんに「突破口」=進入防ぐ仕組み解明ー京都大



京都大の研究チームは9日までに、大腸がんと正常組織の境界部に多く存在するたんぱく質が、がんを攻撃する免疫細胞の進入を妨げていることを突き止めたと発表した。他のがんと異なり、大腸がんではがん免疫療法が効かないケースが多かったが、このたんぱく質の働きを阻害する薬剤などを開発できれば、効果が向上する可能性が期待できるという。論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。

大腸がんは国内で患者が最も多く、死亡者も2番目に多い。免疫療法は肺がんや肝臓がんで高い治療効果を示すが、多くの大腸がんでは効果が低く、新たな治療法の開発が求められていた。

京大の中西祐貴助教らは、大腸がんの組織で遺伝子の働きを詳しく解析したところ、THBS2と呼ばれるたんぱく質が、がんと正常組織の境界部分に多く存在し、免疫細胞の進入を妨げていたことが分かった。

そこで、THBS2をつくる遺伝子をなくしたマウスに大腸がんの細胞を移植したところ、通常のマウスに比べがんが小さくなっており、内部に多数の免疫細胞が入り込んでいることが確認された。

さらに、がん免疫療法で用いられる免疫細胞を活性化させる薬剤を投与したところ、がん細胞が縮小、消失し、大腸がんでも免疫療法が効く可能性が示された。

中西助教は「THBS2を阻害してがん免疫療法の効果を高める薬剤が開発できれば、大腸がんの新たな治療法の開発につながることが期待できる」と話している。

〔写真説明〕京都大医学部附属病院=2025年8月、京都市左京区

2026年02月09日 15時30分


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