
放火事件のあった東京都品川区小山の東急目黒線武蔵小山駅周辺は近年、タワーマンションが建設されるなど大規模な再開発が進んでいる。日本不動産研究所の阿部進悦・都市開発部長は「都心へのアクセスの良さや生活利便性の高さにより、子育て世帯を中心に人気が高まっている」と話す。
駅前から続く「武蔵小山商店街パルム」は、1956年に完成した日本初の大型アーケードとして知られる。風情があり、都内最長の約800メートルにわたり、200を超す店が立ち並ぶ。
駅には急行が停車することから都心へのアクセスは抜群で、2023年には相互直通運転の路線も増え、利便性はさらに向上。近くに建つ19年完成の41階建てのタワマンは現在、1部屋約1億~3億円超で売買されているほか、さらなる建設計画が進行中だ。地元の不動産関係者は「土地価格がどんどん上がっている。リニア中央新幹線が開業すれば、品川区が東京の中心になるのでは」と期待感も示す。
一方で、老朽化した木造住宅などの密集市街地は長年、防災上の課題とされていた。阿部氏は「行政側に密集市街地を解消したいとの思いもあり、再開発が進んだ」とみる。
放火現場周辺も、もともと古いマンションなど3棟があったが、24年2月までに不動産会社に売却され、現在は更地となっている。ある捜査関係者は「まとまった土地が買収できれば用途も広がると考えたのだろう」と指摘。近年は強硬手段を取ることは珍しいといい、「昭和から平成にかけてのバブル期をほうふつとさせる」と話した。
〔写真説明〕放火事件の現場アパート。周辺の東急目黒線武蔵小山駅前にはタワーマンションが並ぶ=2025年11月、東京都品川区
2026年02月20日 19時48分