復興住宅の見守り活動に影響=国の交付金終了で―岩手、宮城両県・東日本大震15年



岩手、宮城両県では、復興住宅(災害公営住宅)を相談員らが巡回し、入居者の健康状況の確認や生活相談などに乗る「見守り活動」に充てられてきた国の交付金が2025年度で終了する。自治体は入居者への支援が途切れないように新たな体制づくりを進める一方、活動縮小を検討する支援団体もある。

復興住宅は21年までに、両県で計2万1656戸整備された。入居者の高齢化が進んでおり、65歳以上の単身世帯が占める割合は、宮城県で全復興住宅の37%、岩手県で県営復興の36%に上る。地元のつながりが希薄になり、地域で孤立するのを防ぐため、見守り活動などが行われてきた。

岩手、宮城各県は交付金終了後、介護保険など既存の国の制度を活用し、高齢入居者の支援継続を目指す。一方、支援団体の中には、活動縮小を余儀なくされる動きもある。

21年に完成した盛岡市の岩手県営南青山アパートで見守り活動など入居者の生活支援に取り組む「青山コミュニティ番屋」は、交付金終了によりいったんは3月末での閉鎖が決まったが、民間の助成により存続できることになった。

番屋の藤沢久美子さん(50)は「震災から15年たって高齢化し、支援が必要な方の課題はより複雑になっている」と指摘。「続けられることになり良かったが、これまでと同じ体制は難しい」と話し、4月以降、スタッフの人数などを減らす予定という。

被災地のコミュニティー形成支援などに取り組んできた岩手大の船戸義和客員准教授は「高齢化し、担い手が減っていく中で、見守りなどの支援を被災地だけに担わせるのは負担が重い」と指摘。「民間や行政など外部支援の投入と住民参加の育成を両輪として取り組んでいく必要がある」と話している。

〔写真説明〕岩手県営南青山アパートで「青山コミュニティ番屋」が主催する灯ろう製作に参加する入居者ら=2月28日、盛岡市

2026年03月09日 16時47分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース