
南極に生息するアデリーペンギンは餌の獲得に失敗しても、仲間と群れで移動することで新たな餌場にたどりつく傾向があるとする研究成果を総合研究大学院大などの研究チームがまとめた。論文は10日、国際生物学誌に掲載された。
研究チームは、南極の昭和基地近くにあるリュツォ・ホルム湾のアデリーペンギンの集団繁殖地で調査を実施。116羽に行動記録計を装着させ、移動データを解析した。
その結果、多くの個体は同じ餌場に繰り返し向かう一方、うまく獲得できなかった場合は仲間についていくことで新たな餌場に到達する傾向があることが確認された。獲得に成功すれば同じ場所に通い、失敗すれば場所を変える戦略とみられる。研究チームによると、一連の行動は、全体としてより多くの餌を得ることに寄与していると考えられるという。
同大の高橋晃周教授(動物生態学)は「動物が集団で生活することの利点を野外での行動データに基づき実証できた。動物の社会生活がなぜ進化したかや、個体数の減少がどのような影響をもたらすかの解明に役立つ重要な成果だ」と説明している。
〔写真説明〕群れで行動するアデリーペンギン(総合研究大学院大提供)
2026年06月10日 18時07分