
所功・京都産業大名誉教授(日本法制文化史)の話
皇族数確保のための2案が「立法府の総意」として決まったのは意義深い。しかし、旧宮家の男系男子の養子案は法制化することが難しく、男系維持のための「窮余の一策」であり、制度設計を慎重に進める必要がある。今回は皇族数を減らさないための措置であり、悠仁親王までの皇位継承の流れをゆるがせにせず、男系維持か女系容認かといった皇位継承の問題と当面絡ませないのが前提であった。
女性皇族が結婚後も残るかどうかは、当事者が選択できるようにするのは当然だが、夫や子は皇族として生活し活動できるようにすべきだ。そうでなければ、創設された宮家は一代限りで終わり、皇族数は増えないことになる。夫や子の身分の問題は、今回先送りするのはやむを得ないが、当事者の年齢などを考えれば1、2年ぐらいで結論を出すべきだ。
旧11宮家の男系男子の養子案は、門地による差別を禁じた憲法の趣旨に反しており、2005年の皇室典範に関する有識者会議の報告書も「採用することは極めて困難」と結論付けている。対象とされる4家の子孫は一般国民として生まれ育った人々であり、国民的な合意が得られるかは疑問だ。国民の共感を得た現在の象徴天皇制度を維持するため、養子となった場合でも、皇位継承の資格・順位をどうするか、慎重な検討を要する。
〔写真説明〕所功
京都産業大名誉教授(本人提供)
2026年06月11日 07時03分