色覚の仕組み、分子レベルで解明=たんぱく質の構造解析で―名古屋工大など



日本とスイス、中国の三つの研究チームが、ヒトを含む霊長類が色を見分ける時に働くたんぱく質「錐体(すいたい)視物質」の立体構造を解明した。遺伝性の色覚異常など視覚疾患の治療法開発につながると期待される。論文3編が26日、米科学誌サイエンス電子版に掲載された。

網膜の錐体細胞には、赤、青、緑の錐体視物質があり、それぞれの波長の光に反応し、脳が色を識別する。このうち赤と緑は構成するアミノ酸配列の約96%が共通で、機能の違いを生む理由は分かっていなかった。詳しく調べるには立体構造解析が有用だが、不安定な錐体視物質の解析は難しかった。

名古屋工業大の片山耕大准教授らは、不安定なたんぱく質を急速凍結して観察するクライオ電子顕微鏡を用いるなどし、霊長類のマカクサルの赤と緑の錐体視物質を詳細に観察。立体構造を高解像度で解明することに成功した。

その結果、構成するアミノ酸のうち、三つの向きや角度が部分的に違っていることが判明。この違いが電気的な性質の違いを生み、赤と緑の波長の差を識別していたことが分かった。

一方、スイスのパウル・シェラー研究所などのチームは、ヒトの青と緑の錐体視物質の立体構造を解明。日本チームの研究と併せ、3種すべてが明らかになった。また、中国の研究チームは、光を吸収して活性化した後の3種の錐体視物質の構造を解明することに成功した。

〔写真説明〕ヒトの錐体視物質が赤、青、緑の光を見分けるイメージ図(米サイエンス誌提供)

2026年06月26日 18時03分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース