目撃証言の信用力に違い=有罪と無罪、分かれた判決―施設入所者死亡事件・水戸地裁



茨城県古河市の介護老人保健施設で入所者2人が死亡した事件では、元職員赤間恵美被告(40)が事件に関わったことを示す直接的な証拠はなく、検察側は元同僚らの証言などを積み重ねて有罪を主張した。

これに対し、水戸地裁判決は一人について赤間被告の関与を認める一方、もう一人については目撃証言の信用性に疑義を示し、「犯罪の証明がない」と結論付けた。

有罪とされた吉田節次さん=当時(76)=の事件では、介護士が「(死亡直前に)ベッドサイドで両膝をつき、シリンジ(注射器の筒)を2、3回押し引きしていた」などと証言した。判決は「内容は具体的で、不自然な点はなく、記憶違いの可能性もうかがわれない」として信用性を認定。「被告が体内に空気を注射していないならば、吉田さんのそばでシリンジを使用していたことや、空気が入っていたことを合理的に説明できない」とした。

一方で、鈴木喜作さん=同(84)=の事件では、別の介護士が犯行時間帯に2度、鈴木さんの部屋に被告が入るのを見たと証言。ただ、日時などが変遷していることから、判決は「記憶違いや勘違いなどが含まれている可能性を否定できない」とした。

被告が犯人でないなら室内で真犯人と鉢合わせしているはずだなどとした検察側の主張については、室内に入ったとは認められないとして「前提を欠いている」と批判した。

〔写真説明〕水戸地裁=水戸市

2026年07月08日 10時56分


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