高市首相追い込まれ強硬転換=政府17法案に黄色信号



高市早苗首相が6日、参院予算委員会集中審議と党首討論の今国会開催をようやく受け入れた。与党少数の参院で野党が審議復帰の条件として求めていたもので、政府提出法案の多くが滞留したまま会期末が17日に迫る中、強硬姿勢の転換を余儀なくされた。ただ、衆院では野党の審議拒否が続いており、国会の全面正常化はなお見通せない。

首相は6日午前、予定を約2時間早めて首相官邸入りし、自民党の松山政司参院議員会長と向き合った。関係者によると、この2週間、首相は集中審議などには応じる理由がないと難色を示してきたが、松山氏はこの席で「(中傷動画作成疑惑に関する)陳述書の話ばかりしないよう協議させる」と説得。首相がついに首を縦に振った。

衆参で不正常な状態が続く中、例外的に開かれたこの後の参院決算委員会で、首相は集中審議出席を明確にするよう野党に求められ、「要請があればしっかり出席し、答弁する」と明言した。

首相が翻意を迫られたのは、政府提出法案64本のうち、「重要広範議案」の刑事訴訟法改正案を含む17本が未成立という厳しい現実があるからだ。与党が3分の2超を占める衆院と異なり、過半数割れが続く参院では野党に主導権がある。官邸が6日、各府省幹部と協議した結果、7日に参院が正常化しなければ成立が厳しい法案があるとの認識で一致し、首相は外堀を埋められた。

特に先行きが不透明なのは皇族数確保のための皇室典範改正案。6月末に提出されるや、与野党対立に巻き込まれ、衆院の審議入りすら見通せていない。政府関係者の一人は「この法案には首相の政治生命がかかっている」と指摘した。

もっとも、この間、首相と自民参院執行部の溝は深まった。集中審議受け入れを求めていた参院執行部は、首相が外遊から帰国した3日夜以降、首相サイドからの連絡を待ったが、「土日は全く動きがなかった」(関係者)。首相と松山氏の会談前、参院幹部は「言うことを聞かないなら、もうどうしようもない」と吐き捨てるように語った。

参院で正常化の運びになったとはいえ、衆院の空転解消の見通しは立っていない。野党は正常化の条件として、衆院での集中審議に加え、衆院議員定数削減法案と「副首都」関連法案の断念を求めている。中道改革連合の重徳和彦国対委員長は記者団に、参院の正常化を「半歩前進」としつつ「与党は一層努力してほしい」と迫った。

【時事通信社】 〔写真説明〕参院決算委員会に臨む高市早苗首相(中央)=6日午後、国会内 〔写真説明〕自民党役員会に臨む高市早苗首相(中央)ら=6日午後、国会内 〔写真説明〕記者団の取材に応じる中道改革連合の重徳和彦国対委員長=6日午後、国会内

2026年07月07日 07時04分


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