インバウンド(訪日客)向けの消費税免税制度に、11月から「リファンド(返金)方式」が導入された。背景には、免税品の国内転売が後を絶たない問題があり、過去には百貨店などの大手免税品店が国税当局から追徴課税される事態も発生。新たな方式の導入で、転売の抑制が期待される。
消費税の免税は原則、入国から6カ月未満の訪日客などが国外で使用するために購入した物品が対象。日本国内で使用したり、転売目的で購入したりする場合は認められていない。
これまで店舗側は、パスポートなどを通じて滞在期間を確認し、免税価格で商品を販売していた。新たな方式では、店舗側は税込み価格で商品を販売し、国税庁のシステムに購入記録を送信。訪日客は、出国時に空港で税関の専用端末にパスポートをかざし、消費税相当額の返金を受ける。税関検査が必要と判断された場合は、職員が実際に商品を調べ、商品を所持していない場合は返金を拒否することもある。
多くの訪日客でにぎわう大手百貨店の大丸東京店で免税事業を担当する営業推進部の斎藤忠さんは「新方式では、転売を防ぐ特殊包装がなくなる。包装する手間や、国内で開けてはいけないと説明する必要がなくなり、ありがたい」と新方式を歓迎した。
転売を巡っては、大阪市内の百貨店でバッグや腕時計、化粧品など総額約77億円の免税品を不正に購入したとして、大阪国税局が中国人の男女7人に消費税約7億6000万円の徴収処分を決定したことが2022年に判明した。7人は転売業者から指示を受けて購入したとみられるが、出国済みでほとんど納付されなかった。
免税要件を満たさずに外国人に販売したとして、東京国税局が百貨店大手の「そごう・西武」と「小田急百貨店」、「松屋」に消費税計約1億1000万円を追徴課税したことも同年に発覚している。
国税当局のある幹部は「企業の方針としては転売の防止を徹底していたが、現場では売り上げを伸ばすために販売してしまうことがあった」と指摘する。税務調査を受け、転売が疑われる個数の場合は販売しない自主規制をしたケースもあったといい、「今後は自由に販売できる」と新方式のメリットを強調。「訪日客に周知したい」と語った。
2026年11月08日 19時01分
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