
試合終了の笛が鳴り響くと、選手はピッチで喜びを爆発させた。苦しいシーズンを送ってきた横浜Mが3連勝でJ1残留を決め、大島監督は「ほっとしている。選手が同じ方向を向いて頑張ってくれた」と奮闘をたたえた。
前半35分にFKから谷村が頭で決めて先制。後半にも2点を加えた。守勢に回った時間帯もGK朴一圭の好セーブでしのいだ。
開幕前に多くの主力を放出し、クラブワーストの7連敗を喫するなど低迷。監督も2度交代した。攻撃を支えてきたアンデルソンロペスらブラジルトリオがシーズン中にチームを去り、一時は最下位に。親会社の日産自動車が経営危機にある中、身売りの報道も出るなど危機的状況で、「自分がやらなきゃという気持ちが一人一人に芽生えた」と植中。それぞれに増した責任感が、どん底からはい上がる原動力の一つになった。
試合後、主将の喜田はこう言った。「伝統や歴史を死にものぐるいで守ることが必要だった。全てをなげうった」。Jリーグ発足時から降格のないのは鹿島と横浜Mだけ。名門が、かつてない苦境を乗り越えた。
【時事通信社】
〔写真説明〕後半、ゴールを決めて喜ぶ横浜Mの天野(右から2人目)ら=9日、サンガS
〔写真説明〕後半、ゴールを決める横浜Mの植中(左)=9日、サンガS
2025年11月09日 19時12分