
ミラノ・コルティナ・パラリンピックのアイスホッケー日本代表18人に、ただ一人の女子選手として名を連ねている。35歳の福西朱莉(東京)。「数分でもいいから試合に出られるように」と努力を続けてきた。
9日の1次リーグのカナダ戦では第2ピリオド終盤の約6秒、氷上に立った。世界パラアイスホッケー連盟によると、パラリンピックに出場した女子選手は日本初、世界でも4人目だ。
大阪府出身。小学1年でアイスホッケーを始め、高校時代は北海道の強豪クラブでDFとして活躍。年代別日本代表の合宿に呼ばれたこともある。大学2年で引退。社会人生活を送っていた2021年、オートバイで走行中の事故で左脚に障害が残った。
夫の八光さんが日本代表GKの堀江航(東京)と知り合いだったことで、24年12月に体験会に参加。10年以上のブランクを経て競技熱が再び高まり、本格的に取り組み始めた。専用のそり「スレッジ」に乗るこの競技の経験は1年余りで大舞台にたどり着いた。
2歳の長男の育児に加え、仕事もフルタイム。深夜にリンクで自主練習し、1時間しか寝られない日もあるという。「しんどいけど、全部好きなことなので意外と頑張れる」と笑顔で話す。
スレッジを使った30メートル走は男子選手と比べて1秒ほど遅い。劣るスピードは、先の展開を読むことで補おうと心掛ける。けがなどをしてから競技を開始する選手が多い中で、豊富な経験を持つ。「ホッケーIQ(知能指数)が強み」と自負する。日本は1次リーグ全敗で敗退したが、順位決定戦では勝利に貢献できるか。
【時事通信社】
〔写真説明〕福西朱莉選手
2026年03月12日 07時15分