欧州勢の強さ際立つ=アジアに厳しい現実―W杯サッカー



米国、カナダ、メキシコによる初の3カ国共催となったワールドカップ(W杯)は、スペインの優勝で幕を閉じた。出場数が32から48チームに拡大された今大会。欧州勢の強さが際立った一方、アジア勢はベスト32で敗退となり、世界との差を突き付けられる厳しい結果となった。

決勝トーナメントに進んだ顔触れを大陸別に見ると、違いは浮き彫りに。欧州は13(出場枠16)、南米が5(同6)、大陸間プレーオフで出場したコンゴを除くアフリカが8(同9)、北中米カリブ海は開催3カ国(同6)だったのに対し、8枠のアジアは日本とオーストラリアの2チームしか残らなかった。

ベスト8になるとさらに顕著で、スペインなど欧州6カ国とアルゼンチン、前回4位のモロッコの構図。欧州「一強」の背景には、トップの強化と同時に底上げも図る2018年から始まったネーションズリーグの効果による部分もあるだろう。今回のノルウェーの躍進が好例だ。

戦い方を見ると、強豪も含め最終ラインを下げて自陣で守る「ローブロック」を採用するチームが多かった。守備重視と映りがちだが、「スペインもフランスもアルゼンチンも、攻撃の起点としていた」。国際連盟(FIFA)技術研究グループの指摘は、興味深い。

日本も同じ戦術を選択した。ただ、勝ち進んだチームは、メッシやハーランドといったキープ力と打開力を兼ね備えた選手を前線に1人残し、奪った後は確実に攻撃に転じていた。

ローブロック多用の傾向により、ペナルティーエリア外からのゴールが前回大会に比べ倍増。選手が密集するエリア内をシュートが抜けてくるため、GKの対応が難しかったというのが、同グループの分析だった。

システムでは、上位を含め4バックが主流だった。日本の3バックは、相手が強いと5バックになって重心が下がる傾向があり、16強入りを懸けたブラジル戦では、その弱点を露呈。万全であれば冨安、板倉らで4バックを組めるだけの力はあり、新チームに託された課題の一つになる。

前回のカタール大会では、長過ぎる追加タイムが問題となったが、4年の時を経て日常となった。今回、物議を醸した飲水タイムも次第にそうなるのか。FIFAは、次回大会で64チームへの拡大も図るとされる。利益確保も大事だが、肝心の競技の醍醐味(だいごみ)を失うようなら、ファンは一気に冷めるだろう。

【時事通信社】 〔写真説明〕ワールドカップ(W杯)北中米大会から帰国した日本代表の選手ら=2日、東京・羽田空港

2026年07月20日 19時38分


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