【ミュンヘン時事】米国のバンス副大統領は14日、ドイツで同日開幕したミュンヘン安全保障会議で演説し、ロシアによるウクライナ侵攻に関して「(両国の間で)合理的な解決が可能だ」と述べ、早期終結を目指すトランプ政権の意欲を強調した。また「欧州は今後数年間で大幅に防衛を強化することが重要だ」と指摘し、欧州諸国に対ロシア防衛で自立するよう促した。
バンス氏は演説に先立ち、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、ロシアが誠意をもって交渉に臨まない場合、米軍のウクライナ派遣も選択肢にあると説明。ロシアに対する「経済的な手段も、軍事的手段も米国にはある」とした上で、ロシアとの停戦交渉では「ウクライナの主権的独立を重視する」と主張した。
トランプ大統領はロシアのプーチン大統領と停戦交渉の開始で合意した。これを受けて米ロ代表団は14日、ミュンヘンで会合を開く予定。ウクライナも招待を受けたとされるが、不利な形で交渉が進むことを警戒しており、加わらない意向を示している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、安保会議で討論会に参加し、「ウクライナ抜きでウクライナに関する決定を下すことはできない。われわれは決して受け入れない」と強調した。これに先立ち、ロシアと直接交渉する前に「(米国との間で)プーチンが危険だという共通の見解」が必要だとも記者団に語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕14日、ドイツ南部で開幕したミュンヘン安全保障会議で演説するバンス米副大統領(AFP時事)
2025年02月15日 00時22分