第107回全国高校野球選手権大会で1回戦を突破した広陵(広島)が10日、出場を辞退すると発表した。同校で部員間の暴行事案が1月に発生し、日本高野連が厳重注意処分を下したことが明らかになり、開幕後に騒動となっていた。
広陵の堀正和校長は兵庫県西宮市の阪神甲子園球場にある大会本部を訪れた後、報道陣の取材に応じ、「多大なご迷惑、ご心配をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪。SNSで選手らへの誹謗(ひぼう)中傷がやまない状況を踏まえ、「生徒、教職員らの人命を守ることが最優先。辞退に踏み切ることを決意した」と述べた。
選手らには野球部長が事情を伝え、チームは10日に広島へ戻った。指導体制の抜本的な見直しを図るとして、中井哲之監督は当面、指導から外れる。
1月の事案とは別に、元部員が監督とコーチ、一部の部員から過去に暴力や暴言を受けたとする情報がSNSで拡散。同校は6月に第三者委員会を設置し、調査している。
不祥事による大会途中の辞退は初めて。広陵は選手権出場が26度目、春の選抜大会は3度の優勝を誇る強豪。2回戦で対戦予定だった津田学園(三重)は不戦勝となる。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見で頭を下げる広陵の堀正和校長=10日、兵庫県西宮市
2025年08月11日 12時32分