追い込まれた広陵=SNSで不確実な情報も―高校野球



部員間の暴行事案に端を発し、甲子園常連校の広陵が大会途中の出場辞退に追い込まれた。SNSでは選手らへの誹謗(ひぼう)中傷が相次ぎ、同校の堀正和校長は「大会運営に大きな支障を来している。同時に高校野球の名誉、信頼をなくすことになる」と説明した。

きっかけとなった1月の事案は、上級生4人が寮内で下級生1人に暴行を含む不適切な行為をしたもの。学校側は、調査結果を広島県高校野球連盟を通じて日本高野連に報告。日本学生野球憲章に基づく規則や過去の事例と照らし合わせ、公表の対象とならない厳重注意処分が決まった。学校側は大会開幕後に事案を公表。大会本部は新たな事実はなかったとして出場を認めた。

だがSNSでは、不確実な情報に基づき、暴行を加えたとされる選手の実名や顔写真が拡散。別の事案に関する情報も広がり、学校側の対応は後手に回った。登下校する生徒への中傷や、寮への爆破予告もあったという。

日本高野連の宝馨会長は「学校の対応に不十分なところがあったかもしれない。一つのけじめとして、出場辞退を選んだと思う」と述べ、大会を主催する朝日新聞社の角田克社長は「SNSのスピード感に対応できる体制づくりを真剣に考えなければいけない」と危機感をにじませた。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見を終え、頭を下げる広陵の堀正和校長(左端)=10日、兵庫県西宮市 〔写真説明〕広陵の出場辞退を受け、報道陣の取材に応じる日本高校野球連盟の宝馨会長(左)。右は大会会長の朝日新聞社・角田克社長=10日、兵庫県西宮市

2025年08月11日 07時02分


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