【ワシントン時事】トランプ米大統領は18日、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州首脳とホワイトハウスで会談し、ロシアによるウクライナ侵攻に関し協議した。トランプ氏は将来のウクライナ再侵攻を防ぐ「安全の保証」に米国も関与する方針を確認。合間にロシアのプーチン大統領とも電話会談し、2週間以内にロシアとウクライナの首脳会談を実現させる考えで一致した。
トランプ氏は米ロ・ウクライナ首脳による3者会談を開くと強調していたが、ロ・ウクライナ首脳の2者会談を先行させる方向に修正した。ホワイトハウスでの一連の会談では、停戦を飛び越え包括的和平を目指すべきだと唱えるトランプ氏と、停戦を重視する欧州との違いも露呈。安全の保証については10日以内に文書の形で取りまとめるが、対ロ交渉の行方は不透明感を増している。
トランプ氏はこの日、まずゼレンスキー氏と会談。冒頭、記者団の取材に応じ、3者会談にこぎ着ければ「戦争を終わらせる合理的可能性がある」と訴えた。両氏は、15日にプーチン氏が米アラスカ州でトランプ氏と行った会談で要求したとされるウクライナの一部領土の放棄を巡り議論。ゼレンスキー氏は欧州の費用負担で米国から900億ドル(約13兆円)相当の武器を調達する計画を示した。
ホワイトハウスではさらに英仏独伊フィンランドと欧州連合(EU)首脳、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長を交えた会合が開かれ、ゼレンスキー氏が「最も良い話し合いだった」とトランプ氏との会談を振り返った。
トランプ氏は安全の保証に関し、プーチン氏から受け入れると伝えられたと語り、「欧州が大きな負担をし、米国が支援する」と説明。地上部隊の派遣を排除した上で、航空機による情報収集などを想定している可能性がある。ルッテ氏によると、安全の保証には日本など30カ国が関与している。
停戦を巡っては、和平交渉を優先させる意向をトランプ氏が示したが、メルツ独首相は「停戦なしの次の会談は想像できない」と指摘。マクロン仏大統領も同調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕18日、ホワイトハウスで会談するトランプ米大統領(右)とウクライナのゼレンスキー大統領(AFP時事)
〔写真説明〕18日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領(左)に地図を見せるトランプ米大統領(ホワイトハウス高官のXアカウントより・時事)
〔写真説明〕18日、ホワイトハウスで会合に臨むトランプ米大統領(中央)、ウクライナのゼレンスキー大統領(左から4人目)と欧州首脳ら(AFP時事)
2025年08月20日 00時12分