ミャクミャク人気、想定超え=「気持ち悪い」一転大化け―来年3月まで販売延長―大阪・関西万博



大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の人気が止まらない。当初はその独特な見た目から不評だったが、今や多くの人に愛される存在に。想定を超える人気を受け、閉幕までの予定だったグッズ販売は来年3月末まで継続されることが決まった。

ミャクミャクは関西のどこかの小さな湧き水から生まれた。細胞と水が一体となった正体不明の生き物で、いろいろな形に姿を変えることができるとされる。2022年のデザイン発表当初は「気持ち悪い」「怖い」との反応が相次ぎ、大阪府・市にも「なぜこのキャラクターにしたのか」「代えてほしい」との声が寄せられていたという。

ところが、開幕後、来場者がSNSにミャクミャクのグッズを投稿するにつれ、ムードが一変。公式グッズは今年8月末時点で約800億円を売り上げ、関係者は「見込みをはるかに上回る人気だ」と舌を巻く。

ミャクミャクは、企業業績を押し上げる勢いも見せる。近鉄百貨店が運営する万博会場内の店舗では、ミャクミャクの尻尾部分などがマグネットになった新商品を9月22日から販売しているが、連日開店後すぐに完売しているという。同社の8月中間連結決算は、売上高が625億円となり、予想を26億円上回った。

JR西日本子会社の会場内店舗では、ミャクミャクの縫いぐるみ販売が好調。広報担当者は「開幕前はミャクミャクに否定的な声も多かったが、日ごとに人気が高まるのを感じた」と話す。「孫5人に縫いぐるみを買った」と話す神奈川県茅ケ崎市の70代男性は、お土産だけで4万7000円ほど購入したという。

公式グッズは、価格の6~10%がライセンス料として日本国際博覧会協会に支払われる仕組み。協会が今月7日に公表した運営収支見込みによると、収入は好調なグッズ販売にも支えられ、当初計画を約230億円上回った。

これを受け、協会は閉幕後もオフィシャルストアの一部の店舗で営業を継続すると発表した。会場ゲート付近に設置されている巨大な「ミャクミャク像」2体は、大阪府吹田市の万博記念公園に移設した後、府内各地の観光地を巡回する見通しだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」=9月13日、大阪市此花区 〔写真説明〕大阪・関西万博会場内で近鉄百貨店が運営する店舗の商品棚に並ぶ公式キャラクター「ミャクミャク」の縫いぐるみ=9月23日、大阪市此花区

2025年10月13日 07時09分


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