国内初の金融先物取引として「国債先物取引」がスタートしてから19日で40年。市場を運営する大阪取引所の横山隆介社長はインタビューに応じ、「『金利ある世界』に回帰し、国債価格の変動リスク回避など本来の機能を発揮できる環境に戻ってきた」と指摘し、市場活性化に意欲を示した。
先物取引は、将来の売買価格をあらかじめ決めておくもので、価格下落などのリスクに備えられるメリットがある。1985年、東証が10年物国債の先物取引を開始。国債発行残高の増加や海外市場の盛り上がりが背景にあった。
しかし、バブル崩壊後の景気低迷で取引は減少した。日銀の超低金利政策により、国債の利回りが低く維持され続けたことで国債先物の意義が薄れ、「地方銀行を含む銀行の多くが撤退した」(横山氏)という。
2014年に大阪取引所が東証から市場運営を継承した後も売買は停滞したが、24年3月のマイナス金利政策の解除以降、金利は上昇基調をたどった。国債先物の年間取引高は同年、02年の2倍近くに達した。
横山氏は今後について、「超長期国債」の先物取引などもアピールしながら国内外から幅広い参加者を取り込む考えを示した。その上で、「市場の安定運営や利便性向上に向けた努力を続ける」と強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕インタビューに応じる大阪取引所の横山隆介社長=9月29日、東京都中央区
2025年10月20日 07時02分