「なぜ」傍聴求め727人=安倍氏銃撃初公判―奈良



奈良市で2022年、安倍晋三元首相を手製銃で殺害したとして、殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判の初公判が28日午後から奈良地裁で開かれるのを前に、同市の奈良公園には傍聴を希望し、727人が詰め掛けた。地裁によると、この日の一般傍聴券は32席だった。

午前8時半から約1時間、地裁職員がリストバンド型の傍聴抽選券を順次配布した。愛知県豊田市から来たという男性(50)は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を信仰する被告の母の証言に関心があるという。「被告は(旧統一教会から)母を奪還したかったのではないか。母と子の関係が裁判でどう変わるのか興味がある」と語った。

大阪府豊中市の男性(70)は、安倍氏が殺害された現場に偶然居合わせたという。「何が何だかわからずショックだった」と振り返り、「被告が育った環境も考えると、裁判所がどう判断するのか気になって来た」と話した。

被告を一目見ようと、娘と訪れた兵庫県伊丹市の自営業、桂毅さん(61)は「被告はどんな表情で現れ、どんな意見を述べるのか」と話した。横浜市から来た大学生の女性(22)は「本人の口から、なぜ殺人に至ったのか経緯を聞きたい」と語った。

母が旧統一教会の霊感商法の被害を受けたという大阪府東大阪市の女性(55)も訪れ、「人生を変えられてしまった。山上被告の気持ちがよくわかる」と涙を流した。

【時事通信社】 〔写真説明〕安倍晋三元首相銃撃事件の初公判の傍聴券を求めて並ぶ人たち=28日午前、奈良市

2025年10月28日 12時36分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース