伊藤叡王が「二冠」に=藤井七冠から王座奪取―将棋



将棋の藤井聡太王座(23)=竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将と合わせ七冠=に伊藤匠叡王(23)が挑戦する第73期王座戦5番勝負の第5局が28日、甲府市で指され、先手の伊藤叡王が97手で勝った。伊藤叡王は3勝2敗として王座のタイトルを奪取し、自身初の「二冠」となった。2023年に八大タイトルを独占し「八冠」となった藤井七冠は、叡王に続いて王座を失い、六冠に後退した。

2勝2敗のタイで迎えた最終局。藤井六冠の攻めを逆用した伊藤二冠が中盤でリードを奪い、終盤戦へ。両者1分将棋の激しい競り合いとなり、伊藤二冠が手堅い指し回しで王者を討ち取った。

伊藤二冠は終局後、「最後まで全く分からなかった」と振り返り、5番勝負について「熱戦の充実したシリーズにできてうれしく思っている」と語った。藤井六冠は「全体的に終盤戦で競り負ける形になり、実力不足かなと思う」と述べた。

東京都出身の伊藤二冠は20年10月、17歳11カ月で四段に昇段し、プロ入り。14歳でプロとなった藤井六冠の後を追った。藤井六冠に3度目のタイトル挑戦となった昨年の叡王戦で初戴冠。藤井八冠の独占を初めて崩す殊勲となった。

【時事通信社】 〔写真説明〕将棋の王座戦5番勝負第5局で藤井聡太六冠(右)に勝利し、感想戦に臨む伊藤匠二冠=28日午後、甲府市 〔写真説明〕将棋の王座戦で藤井聡太六冠に勝利し、花束を手に撮影に応じる伊藤匠二冠=28日午後、甲府市

2025年10月28日 23時03分


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