【ワシントン、北京時事】トランプ米大統領は4日、合成麻薬「フェンタニル」の米国流入を理由に中国に課している関税を10%引き下げる大統領令に署名した。10日に発効し、税率は20%から10%となる。中国政府は報復措置として導入した大豆やトウモロコシを標的とする関税措置を停止する。
米中両国は10月末に韓国で首脳会談を実施した。トランプ氏は中国が流入対策に協力する姿勢に転じたとして、関税の引き下げを表明。中国も「相応の調整」(商務省)を行うと明らかにしていた。
中国政府は5日に対米関税に関する公告を公表。3月に発動した大豆や牛肉に対する10%の関税、トウモロコシや小麦に対する15%の関税の適用を米国に合わせて停止する。政府は「(合意を)履行するためだ」と強調。双方の関税引き下げが「両国の根本的な利益に合致し、国際社会の期待にも合っている」と説明した。
【時事通信社】
2025年11月05日 15時51分
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