
大阪・関西万博のパビリオン工事を、建設業許可を受けずに受注したなどとして建設業法違反容疑で書類送検された「一六八建設」(大阪市)が、日本最長の歩行者用つり橋がある公園「ダムパークいばきた」(大阪府茨木市)内の工事も無許可で請け負っていたことが8日、関係者への取材で分かった。
同公園のつり橋エリアは3月にオープン。全長420メートルのつり橋からバンジージャンプなどを体験できる。
関係者によると、一六八社は、万博工事の際と同様、必要な一般建設業許可を有さないまま同エリア内のレストランやトイレなど4棟の工事に携わっていた。1次下請けとして計約2億円で工事を受注したという。
元請けは和歌山県の建設会社で、一六八社の元経理担当者が代表を務めている。元請けとして8000万円以上の工事を下請けに施工させるには、特定建設業許可が必要だが、同社が許可を取得したのは5月で、一六八社に下請け発注した後だった。
建設会社代表の男性は取材に「一般の建設業許可はあった」と回答。同社に工事を発注した東京都のコンサルティング会社は「正規の許可があると言われていた」と話した。
一六八社を巡っては、万博パビリオン建設の下請け業者への工事代金未払いも問題となっている。下請け業者らは計約1億2000万円を無断で和歌山県の建設会社に送金されたとして、同社代表の男性を業務上横領容疑で府警に刑事告訴・告発している。
【時事通信社】
〔写真説明〕日本最長の歩行者用つり橋がある公園「ダムパークいばきた」(同施設ホームページより)
2025年11月09日 07時09分