
政府の総合経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案は8日、衆参両院本会議で財政演説と各党代表質問が行われ、審議入りした。高市早苗首相は「『強い経済』を実現するため、戦略的な財政出動として真に必要な施策を積み上げた」と訴え、早期成立を目指す方針を示した。
立憲民主党の安住淳幹事長は補正予算案の一般会計の歳出総額が18兆3034億円に上ることを「規模ありき」と批判し、修正案や組み替え動議を提出する方針を表明。首相は「各党からの提言も一部盛り込まれた。国民に速やかに届けることが肝要だ」と強調した。
補正予算案は基金に約2兆5000億円を積み増した。これを疑問視する公明党の角田秀穂氏に対し、首相は「真に必要なものに限って計上している」と理解を求めた。
国民民主党の岸田光広氏は所得税の課税最低ライン「年収の壁」の178万円への引き上げを訴えた。首相は「どのような所得階層に減税の恩恵が届くようにするか議論を深める段階に来ている」と歩み寄りの姿勢を重ねて示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕衆院本会議で、立憲民主党の安住淳幹事長の質問に答える高市早苗首相=8日午後、国会内
〔写真説明〕衆院本会議で答弁する高市早苗首相(右)=8日午後、国会内
2025年12月08日 18時48分