
自民党と日本維新の会が提出した衆院議員定数削減法案は、今国会中の成立見送りの公算が大きくなった。会期末が17日に迫る中、野党はなお強く反発。与党幹部は12日、会期延長も排除しない方針を確認したが、その場合も成立のめどは立っていない。
定数削減法案は、与野党間の協議で1年以内に結論が出なければ、自動的に「小選挙区25、比例代表20」を削減する条項が盛り込まれた。立憲民主党などはこれを問題視。衆院政治改革特別委員会への付託も決まっていない。
特別委では、与野党が提出した企業・団体献金見直しに関する3法案を審議中。野党は十分な審議時間の確保を求めており、定数削減法案が付託されても、会期内の審議入りは見通せない状況だ。
自民の梶山弘志、維新の遠藤敬両国対委員長は12日、最終盤の国会対応を巡り会談した。終了後、梶山氏は記者団に「会期延長も可能性として否定しない」と説明。献金見直し法案の採決と、定数削減法案の審議入りを、野党側に働き掛ける考えを示した。
維新の吉村洋文代表も、大阪府庁で記者団に「延長してでも(定数削減法案の)結論を出すべきだ」と訴えた。
もっとも、与党は参院で過半数に届いていない。定数削減法案は、野党の協力がなければ仮に審議入りしても成立は見込めない。
立民の斎藤嘉隆参院国対委員長は12日、自民の磯崎仁彦参院国対委員長と会談し、与党が定数削減法案を衆院で強行採決した場合、「(参院で)到底審議に応じるわけにはいかない」とけん制。記者団に「延長しても(成立は)100%無理だ」と強調した。
定数削減法案を巡っては、自民内からも「法案の成立に結び付かなければ(会期延長は)意味がない」(幹部)との声が上がる。維新幹部の一人も、成立は「現実的に難しい」との認識を示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕会談に臨む自民党の梶山弘志国対委員長(左)と日本維新の会の遠藤敬国対委員長=12日午前、国会内
2025年12月12日 19時11分