
【ワシントン時事】トランプ米大統領にとって、2026年は11月の中間選挙が最大の正念場となる。大統領職と上下両院の多数を共和党が占める「トリプルレッド」が崩れれば、任期を2年余り残して政権運営は一気に不安定化しかねない。物価高騰を背景に支持率が低迷する中、経済政策をてこに支持回復と勢力維持を狙う。
「中間選挙はこの国の成否が問われるものになる。争点は物価だ」。トランプ氏は25年12月26日に行われた米政治専門紙ポリティコのインタビューでこう語った。
米政界では「アフォーダビリティー(手の届く暮らし)」が焦点となっている。高騰する家賃や食費、医療費が家計を圧迫し、国民の不満が鬱積(うっせき)。ニューヨーク市長選など最近の選挙では、生活費高騰対策を前面に掲げた民主党の躍進が続く。
トランプ氏はインフレを民主党のバイデン前大統領の責任だと主張してきた。だが、ロイター通信が25年12月中旬に発表した世論調査によると、現政権の経済運営への支持は33%にとどまった。トランプ氏の支持率も、第2次政権発足当初の約5割から39%に落ち込んでいる。
政権は一連の選挙結果を踏まえ、看板政策である相互関税の対象から食料品を除外するなど軌道修正を図っている。中間選挙で物価高を争点化する戦略を描く民主党に対抗し、全ての米軍人に建国年にちなみ1人当たり1776ドル(約28万円)を配るなど、現金給付を相次いで打ち出す。トランプ氏は地方遊説も始めており、各地で取り組みをアピールする方針だ。
一方、医療保険制度(オバマケア)補助の打ち切りに伴う国民の医療負担増は共和党内でも不満がくすぶる。同問題を巡る与野党対立で再来が懸念される政府閉鎖は、政権の火種となりそうだ。
外交面では、「休戦」状態となっている中国との通商交渉と4月の訪中が控える。トランプ氏は米国産大豆の輸出や中国のレアアース(希土類)輸出規制緩和などで成果を出し、タフな交渉で「米国第一」を実現したとして、国民へのアピール材料にしたい考え。
高官協議が続くロシアとウクライナの和平や、麻薬対策を名目にしたベネズエラへの対応などにも注力する意向だ。ただ、自身の熱狂的支持層「MAGA(マガ)」の一部には外交問題に力を入れ過ぎだとの不満の声も上がる。支持離れのリスク要因となっているだけに、中間選挙を控え難しいかじ取りを迫られそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕遊説するトランプ米大統領=2025年12月19日、南部ノースカロライナ州ロッキーマウント(AFP時事)
2026年01月02日 07時07分