マムダニ新NY市長が就任へ=公約実現にはハードルも



【ニューヨーク時事】「民主社会主義者」を自称する急進左派のゾーラン・マムダニ氏(34)が1日、全米最大都市ニューヨークの市長に就任する。同日未明に就任宣誓を行った後、市庁舎周辺の道路上で、誰でも参加が可能な祝賀パーティーを開催する。約4万人が集まる見通しだと報じられており、就任当日から独自色を印象付けることになりそうだ。

ニューヨーク初のイスラム教徒の市長となるマムダニ氏。2025年11月の選挙では、家賃上昇の凍結、バス運賃・保育の無料化、最低賃金の引き上げといった政策を公約に掲げ、ほぼ無名の状態から支持を広げた。マムダニ氏の勝利は、生活費高騰が有権者の最大の関心事となっている現状を浮き彫りにした。選挙で訴えた「アフォーダビリティー(手の届く暮らし)」という言葉は、全国的な政治課題を表す言葉として盛んに使われるようになった。

大きな期待が寄せられる一方で、公約実現に向けたハードルは高い。各施策の財源を確保するための増税は市長の権限では実施できない。富裕層に対する所得税や法人税を引き上げるためにはニューヨーク州議会での承認が必要だ。ホークル州知事は増税に慎重な姿勢を示しており、議会や知事をいかにして説得するかが課題となる。

互いに批判し合ってきたトランプ大統領とは11月の会談で友好ムードを演出し、生活費高騰対策で協力することで一致した。ただ、トランプ氏はニューヨーク市への連邦資金の削減に言及したことがある。同市は教育や社会福祉で連邦資金に依存しており、トランプ氏の意向は財政運営に大きな影響を与えかねない。移民政策や州兵の派遣などで、両氏は再び衝突する可能性が残っており、政策実現のためにはトランプ氏への対応も焦点となる。

【時事通信社】 〔写真説明〕米ニューヨーク市長に就任するゾーラン・マムダニ氏=30日、ニューヨーク(AFP時事)

2025年12月31日 19時01分


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