
大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)は、大阪市の横山英幸市長と共に任期途中で辞職し、衆院選に合わせた知事・市長の出直し選に踏み切る意向を固めた。維新の看板政策「大阪都構想」を再び掲げ、出直し選で再選されれば、3度目の住民投票に臨みたい考えだが、他党からは「大義があるのか」と批判の声が上がる。
大阪都構想は、二重行政の解消を目的に、政令市の大阪市を廃止し、複数の特別区に再編する構想。実現には大都市地域特別区設置法に基づく住民投票で賛成多数を得る必要がある。2015年と20年の住民投票では反対多数で否決された。
20年の否決の際、吉村氏は「僕が再挑戦することはない」と明言していたが、その後「住民投票をすることになれば、その前に民主的な手続きは必要だ」などと改めて意欲を示していた。自民党との連立政権合意書には、今年の通常国会での「副首都構想」法案の成立が盛り込まれた。副首都構想を機に、大阪都構想の実現に向けた議論も加速させる思惑があるとみられる。
出直し選について公明党府議団の幹部は「『火事場泥棒』みたいな感じ。こんな選挙に大義があるのか」と批判。自民党府議は「(吉村氏らが当選しても)信を得たことになるのか」とした上で、対立候補について「出す意味がない」と話した。
維新創設者の橋下徹元大阪市長は自身のX(旧ツイッター)で「やるにしてもここではないと思う」と投稿した。松井一郎前大阪府知事もXに「今回の吉村さんのやり方では党内でも一枚岩とならないだろう、だからここでは無いと僕も思う」と指摘。通常国会で副首都法案を成立させ、大阪が副首都として最適な行政システムは都制度だと27年の統一地方選で訴え、「信を問えば良い」とした。
【時事通信社】
〔写真説明〕大阪新年互礼会の会場で取材に応じる大阪府の吉村洋文知事(左)と大阪市の横山英幸市長=5日、大阪市
2026年01月15日 07時06分