
総務省が3日に発表した2025年の人口移動報告では、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)の「転入超過」が12万人を超えた。前年比では4年ぶりに縮小に転じたものの、黄川田仁志地方創生担当相は「依然として東京圏への人口集中は続いている」との認識を示す。地方では「われわれの創意工夫で対応できるレベルではない」との危機感から、国にかじ取りを求める声が上がっている。
東京一極集中の是正に向け、地方創生を看板政策に掲げていた石破前政権は25年6月、今後10年の「基本構想」を策定。人口減少を正面から受け止めた上で、地方に魅力的な学び場や職場づくりを進め、東京圏から地方へ転出する若者の割合を24年の2.5%から、34年度末までに5.0%に倍増する目標を打ち出した。
ただ、高市政権では産業拠点の形成や地場産業の付加価値向上など、地方経済の活性化をより重視する方向に軸足を移し、25年12月に決定した「総合戦略」では「東京圏から地方への若者の流れ倍増」との文言は消えた。東京一極集中に歯止めがかからない中、今月8日投開票の衆院選で人口減問題の具体策を巡って論戦が交わされる場面はほとんど見られない。
こうした現状を受け、全国知事会の阿部守一会長(長野県知事)は「対症療法的な政策で人口減少に立ち向かうことができないのは明らかだ」と主張。「国民的な議論の下、長期的な国家ビジョンをまとめることが重要だ」と訴える。
【時事通信社】
〔写真説明〕総務省=東京都千代田区
2026年02月03日 20時51分