
日本維新の会が8日投開票の衆院選で埋没への懸念を強めている。政権参加後初の国政選挙は全国政党化の足掛かりになり得るとの期待もあったが、高市早苗首相の高支持率で勢いに乗る自民党に押され気味だ。維新の吉村洋文代表は改革の「アクセル役」をアピールして「高市票」の取り込みを目指すが、支持拡大につながるかは不透明だ。
「自民か維新か。どちらが改革を進められるのか、比べてほしい」。吉村氏は2日、大津市で街頭演説し、自民への対抗意識をむき出しにした。
高市内閣は報道各社の世論調査で6割前後の支持率を維持。かつての自民、公明両党のように擁立する選挙区の「すみ分け」を進めていれば、高支持率は与党全体の追い風になり得た。
ただ、今回、自民、維新両党は候補者調整を原則行っておらず、289選挙区のうち85選挙区で公認候補同士がぶつかる。関係者の間では、両党の競合区では「高市票」の多くが首相が総裁を務める自民に流れるとの見方が強い。
こうした読みを覆そうと、維新は「自民ではなく維新を」と訴えるのに躍起だ。維新の公約は連立合意を結んだ自民の公約と重なる部分が多く、差別化は難しいため、首相が掲げる政策大転換の抵抗勢力は自民だとする訴えに力を入れる。
吉村氏は2日、滋賀県草津市で「自民の中には政策転換の反対派が結構いる。だから、アクセル役が必要だ」と強調。「アクセル役を誰が担うのか。その役割を維新にさせてもらいたい」と力を込めた。ただ、その訴えもかき消され気味で、維新関係者は「訴えが響かない」と嘆いた。
吉村氏と首相がそろい踏みしたのは公示日の東京都内での第一声のみ。自民、維新両党の協力で与党全体の議席を伸ばそうという機運はほとんどない。維新は143選挙区で自民候補を推薦したが、自民は「組織のない維新の推薦を受けてもメリットはない」(陣営関係者)と冷ややかだ。
首相は自民、維新の競合区に積極的に応援に入っており、2日も2カ所を回り、自民候補への支持のみを訴えた。維新内からは衆院選後をにらみ「自民が議席を大きく増やせば、維新は相手にされなくなる」(ベテラン)との焦りも漏れる。
【時事通信社】
〔写真説明〕街頭演説する日本維新の会の吉村洋文代表=2日午後、滋賀県草津市
〔写真説明〕街頭演説する高市早苗首相=2日午後、長野県山形村
2026年02月03日 07時08分