生理用ナプキン、「備品化」広がる=安心感ある職場目指し―日用品メーカー・国際女性デー



生理用ナプキンを、トイレットペーパーのように「備品化」し、女性が安心して働ける環境を整備する動きがある。大手日用品メーカーの花王とユニ・チャームが相次ぎ、職場のトイレにナプキンを常備するサービスを開始。導入した企業も、従業員の会社への印象が良くなるといった効果を感じており、取り組みが広がりそうだ。

経済産業省は、女性特有の健康課題による社会全体の経済損失は、年間で計3.4兆円に上るとの試算を2024年に公表。このうち月経に伴う欠勤・パフォーマンスの低下による労働生産性の損失額は約5700億円。女性の就労人数が増える中、生理のトラブルへの対応は企業の重要課題となっている。

花王は22年、トイレに置くナプキン収納ボックスを同社が無償提供し、ナプキンは企業が購入する法人向けサービス「職場のロリエ」を開始。オフィスや工場に簡単に設置できる点が評価され、教育現場向けの「学校のロリエ」と合わせ、25年12月時点で600以上の企業・学校が導入した。

取り組みのきっかけは、花王の1~3年目社員に行った生理の悩み事に関するアンケート。一番苦労した点として「突然生理が来たときにナプキンがない」という答えが最も多かった。加藤安友実サニタリー事業部ブランドマネジャーは「困ったときに、生理用品がそっと置いてある状態を普通にしていきたい」と語る。

当初は女性社員が多い企業を中心に導入が進んだが、現在は男性比率が高い業界にも広がりを見せる。24年5月から取り入れている大手ゼネコンの大林組によると、建設現場で働く女性従業員から、急な生理でも事務所まで戻る必要がなくなり、「安心して働けるようになった」と好意的な反応が寄せられたという。

ユニ・チャームも25年10月、企業・学校向けにナプキンを入れるディスペンサーを無償提供する「どこでもソフィ」を始めた。担当者は、導入のメリットとして「職場の心理的安全性が増すほか、女性の健康課題に取り組む企業という社会的な評価や、企業価値の向上にもつながる」と指摘。備品化の普及により「どこでも生理用品が手に入る、誰もが過ごしやすい社会の実現を目指したい」と話している。

【時事通信社】 〔写真説明〕花王の加藤安友実サニタリー事業部ブランドマネジャー=12日、東京都中央区 〔写真説明〕国際女性デー2026 〔写真説明〕花王が提供する「職場のロリエ」=12日、東京都中央区 〔写真説明〕ユニ・チャームが提供する「どこでもソフィ」(同社提供)

2026年03月01日 07時28分


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