男性育休改革に自治体本腰=取得率向上、人材定着に期待―国際女性デー



子育て中の女性が社会で活躍するには、パートナーや周囲の協力が不可欠だ。働き方の多様化に伴い、地方自治体でも男性職員の育児休業取得率向上に取り組む動きが広がっている。都市部への人口流出が深刻な問題となる中、男性が育児に参加しやすい環境を整えることは人材の確保・定着の面でも重要になっている。

近年、全国の自治体で働く男性職員の育休取得率は伸び続け、2024年度には初めて5割を超え、58.5%を記録した。警察官や教育委員会の職員を除く一般行政部門では75%に到達。わずか1.5%だった10年前の14年度と比べ、飛躍的に上昇した。

要因の一つが各自治体による独自の取り組みだ。福岡市は22年度、「男性育休100%宣言」を打ち出し、取得しやすい環境の整備に本格的に着手。同年度の取得率は60.5%だったが、24年度には政令市で初の100%を達成した。

市が重視したのは職員の育休取得に対する心理的負担を軽くすること。対象者には、出産予定日や育休の希望期間などを記入する計画書を提出してもらい、所属長が面談する。市は収入への影響を試算するシミュレーションシートも作成した。

担当者は「まずは市が行うという意味で始めた。一定の成果は出た」と説明。一方で、「女性の社会参画や活躍促進につなげることが重要で、一過性にしないようにしたい」と語った。

高知県は、育休取得に関する相談体制の強化や、業務を穴埋めした職員を評価する制度の構築などを一連の取り組みとして行う支援プログラムを20年度に開始。その結果、19年度に6.5%だった取得率が24年度には都道府県で3番目に高い73%を記録した。

プログラムを導入した背景には、急速に進む人口減少がある。県内の出生数は減り続けており、地元企業に子育て環境の整備を促すため、「県庁が率先垂範する必要があった」(担当者)。

男性の育休取得率向上について、総務省幹部は「社会的な機運の高まりを受け、自治体側にも対策をしなければ職場として選ばれないという危機感がある」と指摘。都道府県や政令市と比べて取得率が低い規模の小さい自治体に対しても「さらに積極的な動きを期待したい」と話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕国際女性デー2026

2026年02月28日 14時33分


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