
日銀初の女性理事となった清水季子EmEco社長が時事通信のインタビューに応じた。現在、理系キャリアを歩む女性の支援活動に奔走する清水さんは、欧米に比べ日本で経営への女性参画が少ない理由について「性別からくる『壁』が強く、女性が先頭に立つイメージがない」と指摘。企業や社会の「マインドセット(考え方)」を変え、日本の成長に必要な人材を育てると意気込む。
1987年に日銀に入行した清水さんは、2010年に高松支店長に、20年に理事に就任した。いずれも日銀の長い歴史では「女性初」。ただ、支店長職に就き、メディアで取り上げられるまでは「女性だから」と意識したことはなく、ひたすらキャリアを積み上げることに集中していたという。自分では気付かずに「天井みたいなものは壊していたかもしれない」と振り返った。
要職への登用は、男女にかかわらず「業績で評価すべきだ」と明言。優秀な女性が当たり前のようにリーダーとなれるよう、女性が経営者になるというイメージを「意識してつくっていくしかない」という。日本は女性初の首相誕生という大きな一歩を踏み出しており、「民間で社長や経営者に女性が増えていくことが必要だ」と述べた。
理事退任後は民間に活動の場を移し、24年には豊田自動織機の社外取締役に就任。自ら起業したEmEco(東京)は理系女性の活躍・育成の促進を目指す。企業と連携して女性エンジニアを集めた合宿を実施。キャリア形成の課題を抽出して企業に還元するほか、小中学生の女子との交流イベントも開く。「日本が成長していくために必要なのは製造や設計への人材配置」と述べ、圧倒的に少ない女性エンジニアの育成を目指す。
清水氏は組織が成長するために「多数派対少数派という構図を壊す必要性がある」と女性の活躍の場を広げることが大切と強調。「最終的には男女が関係なく一人ひとりが自分らしく生きられる社会を目指すべきだ」との認識を示した。
◇清水季子さんの略歴
清水
季子さん(しみず・ときこ)東大工卒。87年日銀入行。10年高松支店長、16年欧州統括役、18年名古屋支店長、20年理事を経て、24年豊田自動織機社外取締役、EmEco社長。60歳。東京都出身。
【編集後記】清水季子さんへのインタビューは理事就任時と合わせて2回目となった。当時から変わらず、エネルギッシュでかつ華やかさを持つ力強い女性だ。性別を意識せずに支店長になるまで「馬車馬のように働いてきた」という清水さんにとり、支店長や理事就任に男女の別は関係なかった。
東大工学部を卒業した理系女性として、原点に戻って理系の女性支援・育成に奔走。その中でも運動を通した体力づくりや趣味への時間も大切にしている生き方はお手本にしていきたい。(時事通信経済部記者・藤岡愛)。
【時事通信社】
〔写真説明〕インタビューに応える日銀元理事の清水季子さん=18日、東京都千代田区
〔写真説明〕国際女性デー2026
2026年02月27日 14時32分