米、イラン攻撃で「出口」模索か=イスラエルと温度差



【ワシントン、カイロ時事】対イラン攻撃が続く中、トランプ米大統領が軍事作戦の「出口」を模索し始めた。経済状況や米国内の世論が影響している。ただ、共に攻撃を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は作戦の継続を訴えており、温度差が大きい。

トランプ氏は9日、米FOXニュースのインタビューで、イランの新指導部が「話し合いを望んでいると聞いている。条件次第では可能だ」と語った。同日の記者会見でも、軍事作戦が「間もなく終結する」との見通しを示した。

イランは要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖し、原油価格高騰を誘って米国や世界経済への圧力を強めている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、戦争の長期化による支持率低下を懸念し、トランプ氏側近から作戦終了への道筋を早急に示すべきだという意見が出ている。11月の中間選挙を見据えるトランプ氏は、ネタニヤフ氏と協議して早期に幕引きする算段を描いているもようだ。

イスラエル側にも「終わりなき戦争は望んでいない」(サール外相)という声はあるが、具体的な検討が進んでいる気配はない。長年、イランの体制打倒を目指してきたネタニヤフ氏は9日、「われわれの願いはイラン国民を独裁のくびきから解き放つことだ」と述べ、体制転換を主張。「まだ終わっていない」と作戦継続を訴えた。

背景には、米イスラエル両国内で軍事作戦への評価が異なる事情がある。米キニピアック大の世論調査では、イラン攻撃を支持する米国民は40%にとどまり、反対の53%が大きく上回る。一方、イスラエルのシンクタンクの調査では、同国民で支持する人は8割を超え、ネタニヤフ氏の強硬姿勢を後押しする。

米ニュースサイト「アクシオス」は10日、イランの石油貯蔵施設を空爆したイスラエル軍に対し、米国が再発防止を求めたと報じた。湾岸諸国のエネルギー関連施設へのイランの報復を米側が警戒したとされる。

それでも、イスラエル首相府は10日、X(旧ツイッター)への投稿でイラン国民に蜂起を呼び掛け、「さらに強力な力で攻撃を続ける」と強調した。思惑が異なる両国が戦闘の終結に向けて足並みをそろえるのは容易ではない。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見するトランプ米大統領=9日、南部フロリダ州(AFP時事)

2026年03月12日 07時21分


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