イラン、要衝の妨害強化で対抗=原油輸送阻止を「武器」に



【イスタンブール時事】イランは米イスラエルの激しい攻撃への対抗手段として、シーレーン(海上交通路)の要衝ホルムズ海峡で、原油や液化天然ガス(LNG)輸送の妨害を強めている。原油価格の高騰を通じて世界経済への悪影響を招き、米国などへの停戦圧力を強める狙いだ。エネルギー輸送の阻害を「武器」にして徹底抗戦するイランの戦略に世界が翻弄(ほんろう)され、混乱は日増しに深刻化している。

「1バレル=200ドルになるのを覚悟せよ。原油価格は地域の安定が前提だが、おまえらがそれを不安定化させた」。イランのメディアによれば、イラン軍報道官は11日、米国を強くけん制した。原油高騰に敏感なトランプ政権を揺さぶり、厭戦(えんせん)機運を高めたい思惑が透ける。

イランはホルムズ海峡を事実上封鎖し、11、12両日もペルシャ湾内に残る船舶に対して精鋭軍事組織「革命防衛隊」によるとみられる攻撃が続いた。海峡の通航にはイランの許可が必要とした上で、「米イスラエルの攻撃が続く限り原油1リットルたりとも中東から輸出させない」と強気だ。現在は、制裁下でイラン産原油の主要購入元となっていた中国向けなど一部しか通過できていないもようだ。

ロイター通信は、イランがホルムズ海峡で既に十数発の機雷を敷設したと伝えた。米国防総省の国防情報局(DIA)の報告書によると、イランは2025年時点の推計で、船体に磁力で吸着させる型などの機雷約6000発を保有。国際的な批判を無視して大規模な機雷敷設に踏み切れば、石油タンカーなどの航行は一段と困難になる恐れがある。

イランは周辺諸国の原油・天然ガス関連施設も巻き込む形で報復を続けてきたが、米イスラエルとの軍事力の差で劣勢は否めない。ミサイル関連施設などが打撃を受ける中、米イスラエルに限らず世界的に影響が甚大なエネルギー輸送に反撃対象の重点を移している可能性もある。

【時事通信社】 〔写真説明〕11日、ホルムズ海峡でイランの攻撃を受けたタイの貨物船(タイ海軍提供)(EPA時事)

2026年03月12日 20時30分


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