「あの日」を忘れない=発生時刻、各地で祈り―東日本大震災15年・被災3県



災害関連死を含む死者・行方不明者が2万2230人に達した東日本大震災は11日、発生から15年を迎えた。「忘れないよ」。岩手、宮城、福島各県では多くの人が発生時刻のサイレンに合わせて黙とうをささげ、「あの日」に思いをはせた。

700人以上が犠牲となった宮城県名取市閖上地区では住民らが、「みんなのこと忘れないよ」などと書いた風船約470個を空に飛ばした。「どこにいくのも一緒だった」という次女菅井恵美さん=当時(31)=を亡くした同県岩沼市の主婦田所京子さん(72)は「少し前を向けそう」と笑みを見せた。同県石巻市北上町では、両親と祖母を失ったという舘崎沖津さん(57)が海を臨む場所にある慰霊碑を訪れた。刻まれた3人の名前をそっと手でなで、「年を経るごとに喪失感を感じる」と肩を落とした。

冷たい潮風が吹き付ける岩手県宮古市ではおじを亡くした漁師の畠山章さん(72)が「流された人たちを誰一人忘れることはない」と視線を落とした。

福島県浪江町の海岸でも集まった人々が黙とう。同県郡山市から訪れた阿部謙信さん(36)は、今も行方不明の父に「次女が生まれた」と報告した。同県双葉町から集団避難した約350人がいまも暮らす埼玉県加須市でも追悼行事が行われ、吉田俊秀自治会長(78)は「市民同様に扱っていただき感謝。これからも力を合わせていく」と決意した。

被災各地の沿岸部では、激しく冷え込んだ早朝にも犠牲者を悼む人の姿があった。岩手県大槌町では会社員佐々木崇文さん(75)が役場職員で公務中に亡くなった弟=当時(58)=の墓前でかじかむ手を合わせ、「みんな元気でやっているよ」と声を掛けた。宮城県気仙沼市では、母を失った佐藤一夫さん(72)が15年ぶりにこいのぼりを掲げ、「自宅も仕事も失い、必死に生きてきた」と目に涙を浮かべた。

【時事通信社】 〔写真説明〕東日本大震災の発生時刻に黙とうする人たち=11日午後2時46分、宮城県名取市 〔写真説明〕東日本大震災の発生から15年となり、追悼のハト型風船を飛ばす人たち=11日午後、宮城県名取市 〔写真説明〕福島県浪江町の請戸海岸で東日本大震災の発生時刻に黙とうする人たち=11日午後2時46分、同町

2026年03月11日 18時27分


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