
【ワシントン時事】トランプ米大統領の任期後半の政権運営を左右する11月3日の中間選挙まで半年。国民の間では物価高への不満が募り、長引く対イラン軍事作戦が政権の重荷となる。低迷する支持率に改善の兆しは見えず、現在上下両院を制する与党共和党は苦戦を強いられそうだ。
◇支持離反食い止め狙う
「全ての米国民に(政治的見解の)相違を平和的に解決するよう求める」。トランプ氏はホワイトハウス記者会主催の夕食会で発砲事件が発生した直後の4月25日夜、記者会見でこう力説した。対立をあおる政治手法でのし上がってきた同氏には珍しく、「団結」さえ呼び掛けた。
トランプ氏は、自身が耳を負傷しながらも拳を突き上げ、求心力を高めた2024年7月の東部ペンシルベニア州での銃撃事件の再現を狙うかのように、中断された夕食会の再開を主張し指導者としての「強さ」を誇示。同時に、「団結」を強調した行動には、イラン作戦を機に表面化する支持離れを食い止めたいとの思惑もにじむ。
「米国第一」を掲げ結束してきたトランプ氏の支持層「MAGA(マガ)」派には亀裂が生じている。対外軍事介入に慎重な支持者が多いためで、同派に影響力を持つ元保守系テレビ司会者タッカー・カールソン氏は、トランプ氏を支持してきたことで「人々を誤った方向に導いた」と謝罪した。作戦に批判的なローマ教皇レオ14世との対立で、岩盤支持層であるキリスト教福音派からも反発を招く。
トランプ氏が踏み切ったイラン作戦が中間選挙の主要争点となる「アフォーダビリティー(価格の手頃さ)」に与えている影響も深刻で、ガソリン価格の高騰が国民生活を圧迫。同氏に近い保守系FOXニュースの最新世論調査では、政権の経済運営への支持は34%にとどまった。
◇弾劾論に現実味
トランプ氏は大統領職と上下両院を共和党が握る「トリプルレッド」を謳歌(おうか)している。だが、中間選挙は政権与党に不利となる傾向があり、下院は民主党が過半数を奪還する可能性が高い。上院は改選区に地盤州が多い共和党が優位とされてきたが、地方選連敗の流れで接戦になるとの見方が広がる。実際、同党の牙城である南部テキサス州では、上院で民主党候補がリードしているとの一部調査結果が出ている。
民主党は下院で主導権を得た場合、トランプ氏の弾劾手続きに踏み切る構えだ。同氏も「敗北すれば弾劾される」と警戒しており、共和党関係者は「イラン作戦を終息させられなければ最悪のシナリオが待ち受けている」と危機感をあらわにした。
【時事通信社】
〔写真説明〕トランプ米大統領=1日、南部フロリダ州ザ・ビレッジズ(EPA時事)
2026年05月03日 07時04分