
【ニューヨーク時事】約4週間にわたって開催される核拡散防止条約(NPT)再検討会議は1日、1週目の日程を終えた。各国の立場を表明する一般討論演説では、反論のための答弁権を行使する国が続出し、さまざまなの国の間で非難の応酬となった。
会議は、核計画を進めているとしてトランプ米政権が攻撃に踏み切ったイランを巡って紛糾した。複数の国が、イランが今回の会議で副議長を務めることを疑問視。米国をはじめとする多くの国から核計画への懸念の声や、国際原子力機関(IAEA)への協力義務を果たすよう求める意見が相次いだ。イランは「原子力の平和利用の権利」を主張し、米英仏独を名指しして「西側の責任で条約全体が危機にさらされている」と強弁した。
一方、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)の「核共有」をやり玉に挙げ、「長年、NPT体制を損なってきた」と、米欧を改めて批判した。さらに「英仏がウクライナに核の部品を供与しようとしている」という「分析」を披露。英国は答弁権を行使し、「ばかげた誤情報を広めようとしている」と一蹴した。
また、2月に失効した米ロ間の核軍縮枠組み「新戦略兵器削減条約(新START)」に関する見解の相違も鮮明となった。ロシアは失効の責任は米側にあると強調。米国は中ロに新たな軍備管理の枠組みを提案し、前向きな返事を得たと述べたが、中国は「提案は政治的なポーズにすぎない」と猛反発した。
中国の核軍拡の透明性については多くの国が問題視した。中国はそれぞれの事情を尊重するべきだと訴え、情報公開に後ろ向きな現状を正当化した。
非核兵器国から核兵器国5カ国の軍縮努力に対するいら立ちも目立った。NPTは、非核兵器国が核を保有しない代わりに、核保有を認められた核兵器国に核軍縮への「誠実な交渉」を義務付ける。しかし、軍縮は進展しておらず、「(NPT体制に対する)信頼が損なわれ続けている」(メキシコ)という主張に一定の説得力があるのが実態だ。中東諸国からは条約に加盟せずに核を保有するイスラエルに対する不満も噴出した。
ビエット議長(ベトナム)は「他国を批判することはあまりにも簡単だが有益ではない」と苦言を呈し、「自制と敬意、共通の一致点のために妥協する意思を持ってほしい」と促して一般討論を締めくくった。複数の対立軸が浮き彫りとなった1週目を終え、各国が異なる立場を超えてどこまで歩み寄れるかが課題となる。
【時事通信社】
〔写真説明〕核拡散防止条約(NPT)再検討会議=4月27日、ニューヨーク(AFP時事)
2026年05月02日 20時37分