大接戦、右派候補が追い上げ=ブラジル大統領選まで1週間



【サンパウロ時事】任期満了に伴うブラジル大統領選の投開票が1週間後に迫った。通算4期目を目指す左派の現職ルラ氏(80)と、ジャイル・ボルソナロ前大統領の長男で右派のフラビオ・ボルソナロ上院議員(45)による事実上の一騎打ちは、先行するルラ氏をフラビオ氏が激しく追い上げている。ただ、当選要件である過半数票を獲得する候補はいない見込みで、決着は10月25日の決選投票に持ち越される公算が大きい。

調査会社ダタフォリャが24日発表した世論調査によると、ルラ氏の支持率40%に対し、フラビオ氏は36%。決選投票での支持率は、ルラ氏47%、フラビオ氏45%となっている。6月中旬には10ポイントあった支持率の差が縮んだ背景には、連邦最高裁を巡るスキャンダルがある。

「ルラをクビに!

モラエスをクビに!」。今月7日の独立記念日に最大都市サンパウロで選挙集会を開いたフラビオ氏は、熱烈な支持者を前にこう繰り返した。モラエス氏は最高裁判事の一人。前回の大統領選後、クーデターを企てた罪などで前大統領に禁錮27年3月の有罪判決を言い渡した裁判を担当しており、フラビオ氏にとっては「親の敵」だ。

このモラエス氏が、巨額の金融詐欺疑惑で収監されている元銀行家と近しい関係にあった疑惑が発覚。モラエス氏は捜査の進捗(しんちょく)状況や、逮捕を逃れる手段について質問を受けていたとされる。「民主主義の擁護者」として左派の人気を集める一方、右派陣営にとっては敵である同氏のスキャンダルを、フラビオ氏はルラ氏への批判に利用した。

モラエス氏はルラ氏が任命した判事ではないが、2021年にルラ氏の汚職の有罪判決棄却を支持したことなどから、フラビオ氏は「ルラの判事」とやゆ。「もはや誰もルラには我慢できない。ブラジルを台無しにするルラの判事も我慢ならない」などと集会で繰り返し、右派層の結束を図っている。

一方のルラ氏は、看板政策の低所得層向け現金給付制度「ボルサ・ファミリア」の増額を今月17日に発表。こちらも左派層や中低所得層の歓心を買おうと躍起になっているが、「選挙前のばらまき」のそしりは免れず、支持率は頭打ちとの見方が強い。

ルラ氏もフラビオ氏も汚職疑惑が付きまとい、有権者から清廉潔白と認識されているわけではない。両氏の不支持率は5割近くに上り、選挙はさしずめ「嫌われ者同士の争い」。学術機関ジェトゥリオ・バルガス財団のクラウジオ・コウト教授は「無党派層にとって、大きな関心事の一つは汚職」と指摘。「新たなスキャンダルが浮上すれば、投票日までに選挙情勢が変わる可能性もある」と分析している。

【時事通信社】 〔写真説明〕ブラジル大統領選の有力候補、フラビオ・ボルソナロ上院議員(左)と現職のルラ氏(AFP時事)

2026年09月27日 07時03分


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