
【カイロ時事】イスラエル国会(一院制、定数120)の総選挙は、27日の投票まで1週間に迫った。ネタニヤフ首相(76)は、2023年10月に起きたパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスによる越境攻撃の責任を問われており、ネタニヤフ氏の続投か政権交代かが焦点だ。中道野党「ヤシャル」の躍進が伝えられているが、与野党各陣営の勢力は拮抗(きっこう)している。
「はっきりさせよう。ネタニヤフが権力の座にとどまる限り、ハマスも権力を握ったままだ」。ヤシャル党首のアイゼンコット元軍参謀総長(66)は今月15日、ガザに近いイスラエル南部で演説し、大規模攻撃後も勢力を保つハマスの軍事部門の「破壊」を誓った。
アイゼンコット氏は、ネタニヤフ氏の危機管理能力の欠如やハマスの奇襲に関する責任逃れを追及し、支持を伸ばしてきた。権力を維持するために連立を組む少数の極右政党などを優遇し、国民の分断を招いたとネタニヤフ氏の政治手法を批判。自身は公正な政治を掲げている。
一方、ネタニヤフ氏は、政権交代するためにアイゼンコット氏がアラブ政党と協力すると決め付け、対パレスチナなどの安全保障政策で政権内の足並みが乱れ、機能不全に陥ると主張。イスラエルの後ろ盾である米国への影響力もないとし、アイゼンコット氏の「能力不足」をあげつらう。
現地メディアによる世論調査の予想議席数の平均では、「ヤシャル」が21.5議席でトップを走り、ネタニヤフ氏が党首の右派与党「リクード」が19議席で続く。ヤシャルを支持する他党を含めた反ネタニヤフ陣営は51.25議席で、ネタニヤフ陣営は51議席。共に過半数に届かず、決着は選挙後の連立工作次第となる。
右派を支持する傾向にあるロシア系住民を視聴者に持つ民放チャンネル9のジャーナリスト、アリヤ・スダコバ氏は取材に、重要課題の安保に関して、ネタニヤフ氏が交渉を通じた和平ではなく「軍事力による勝利」を追求し、強硬な右派の支持を固めていると解説した。
一方、反ネタニヤフ陣営からは現実的な対案が示されないまま、「ネタニヤフか否か」を争点にしていると強調。政策論争ではなく個人攻撃に終始していると懸念を示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕イスラエルのネタニヤフ首相=5日、エルサレム(EPA時事)
〔写真説明〕オンライン取材に答えるアリヤ・スダコバ氏=15日
2026年10月20日 12時29分