好決算、AIバブル懸念が後退=米エヌビディア



【シリコンバレー時事】米半導体大手エヌビディアが19日発表した2025年8~10月期決算は、2四半期連続で売上高・純利益ともに四半期最高を更新する好決算となった。特に、同年11月~26年1月期の売上高が650億ドル(約10兆2000億円)前後と市場予想を上回る強気の見通しを示し、人工知能(AI)への投資が過剰になっているのではないかというバブル懸念を後退させた。

AIを巡っては巨額の投資表明が続いている。米オープンAIは9月、エヌビディアから最大1000億ドルの出資を受けた上で、同社のAI半導体を購入しデータセンターを構築すると発表。米メタや米マイクロソフト(MS)なども、10月末に発表した四半期決算に合わせて、投資の上積みを打ち出した。

エヌビディアはAI半導体で8割前後のシェアを持つとされ、AIブームを追い風に急成長した。一方、足元では過熱感に対する警戒が強まっており、直近の株価は下落傾向だった。メタとMSの両社も、巨額の投資を将来回収できるのかという懸念から、決算発表直後に株価が大幅に下落する場面もみられた。

19日に発表されたエヌビディアの決算は、こうした懸念を和らげるものとなった。フアン最高経営責任者(CEO)は同日の電話会見で、「AIバブルについてさまざまな議論がなされているが、われわれの視点からは違ったものが見えている」と懸念を一蹴。AIがあらゆる産業を変革する中、カギを握る同社の製品への需要に自信を示した。

発表を受け、東京株式市場ではこのところ下落していたAIや半導体銘柄に買いが集まり、日経平均株価は一時前日比2000円超上昇した。ただ、今回の好決算でもAIに対する巨額投資は妥当かという疑問が払拭されたわけではなく、AIバブル懸念は今後もくすぶり続ける。

〔写真説明〕米半導体大手エヌビディアのフアン最高経営責任者(CEO)=2023年5月、台湾・台北市(EPA時事)

2025年11月21日 13時32分


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