日系メーカーに逆風=関係悪化が影―中国・広州自動車ショー



【広州(中国広東省)時事】中国で21日開幕した広州国際モーターショーには、日系メーカーの現地合弁各社もスポーツ用多目的車(SUV)の新型モデルなどを出展した。ただ、地場メーカーと比べてブースの客足は少なめ。日中関係の悪化が影を落とし、逆風が強まっているようだ。

中国政府が高市早苗首相の台湾有事発言を激しく批判したことで、国内では反日感情が急速に高まった。SNSでは日本製品の不買を呼び掛ける投稿が目に付く。中国新興メーカーの発表会を訪れた女性インフルエンサーは「今年は日本車をPRしない。消費者は求めていない」と言い切った。

予定していたPRイベントの中止や縮小に踏み切る日系メーカーも相次いだ。ブースには多数の警備員が配置。関係者によると、主催者から可能な限り日本語を使わないよう要請があったという。

中国では2005年に起きた反日デモの際に日本車が壊されており、ある日系メーカーの広報担当者は「今は目立たないほうが良い」と打ち明けた。

中国市場では、電気自動車(EV)最大手の比亜迪(BYD)など地場メーカーが販売を伸ばす一方、日系のシェアは低下している。中堅商社幹部は「日本車は売れなくなっている。今回の件をきっかけに、日系企業の撤退や事業縮小が一気に進む可能性がある」と語った。

〔写真説明〕広州国際モーターショーに出展した日系自動車メーカーのブース前に立つ警備員=21日、中国広東省広州市

2025年11月22日 07時09分


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