
【シドニー時事】オーストラリア政府は12日、韓国造船大手ハンファが豪同業大手オースタルに対する出資比率を約2割に引き上げることを条件付きで承認した。オースタルは、日本の海上自衛隊護衛艦「もがみ」の改良型が選定された次期海軍フリゲート艦の建造を受注する可能性があり、その場合、機密情報の保護が課題となる。
ハンファはオースタルへの出資比率を従来の9.9%から19.9%に引き上げることが認められた。豪政府は条件として、(1)19.9%を超える出資は不可(2)機密情報へのアクセスや保存を制限(3)ハンファがオースタルの取締役に指名する人物に関する厳格な基準の設定―を挙げた。
11隻を導入するフリゲート艦計画では、最初の3隻を日本で、残り8隻を豪国内でそれぞれ建造する予定。オースタルは地元建造分の受注先として有力視される。機密情報の制限などの条件は同計画をにらんだものとみられ、チャーマーズ財務相は「安全保障上の課題を全て考慮して判断した」と説明した。
〔写真説明〕韓国造船大手ハンファによる潜水艦の公開式典=10月22日、韓国・巨済(EPA時事)
2025年12月12日 18時46分